この記事では、認定看護師、専門看護師、診療看護師であるスペシャリストナースの、
コンサルテーションの場面で、「なぜ病棟スタッフはケアをみに来ないのかな」
という疑問に私の経験からお答えします。
コンサルテーションだったけど、
病棟にいったら「お願いします」といわれて
誰もベットサイドにいない・・・。
結局は、自分だけでケアするしかないですよね・・・。
これは、2つの原因を知ると解決の糸口が容易になりますよ。
コンサルテーションを受けたのに実践になってしまう理由
認定看護師、専門看護師、診療看護師が行うコンサルテーションは、
臨床現場の看護の質の向上に重要だということは現場で認知されていると思います。
しかし、実際の臨床現場では、コンサルテーションのつもりで介入していても、
いつしかスペシャリストナース一人で患者さんにケアをして、
実践になってしまうということはあります。
実はこれには2つの原因がありと私は考えます。
コンサルティ(相談する側)は実は実践を依頼していた、
コンサルタント(依頼される側)の目標が実践目標だった。
コンサルティ(相談する側)は実践を依頼していた
コンサルティは実践を依頼していたと言われると、
「いやいや、ちゃんとコンサルテーション依頼用紙に記入してくれていたし、
コンサルティはちゃんとコンサルテーションを依頼したことをわかっていますよ・・・。」と、
思われるかもしれません。
事実、コンサルティはコンサルテーション依頼のシステムを使用して、
コンサルテーションを依頼してきているでしょう。
しかし、コンサルティの期待していることは、コンサルタントがケアしてくれることと
思っている可能性は大いにあります。
なぜなら、言語聴覚士に依頼したら、言語聴覚士は、
患者さんと一対一で訓練をしてくれます。
薬剤指導を依頼したら、薬剤師さんは患者さんのベットサイドへ一人で行って指導してくれます。
これも専門家へのコンサルテーションなんです。
臨床現場では、リハビリ、薬剤師への依頼などを行ったら、
それぞれ依頼を受けた専門家が患者さんに訓練、指導などをしてくれる。
介入時に病棟看護師へ声掛けをするかもしれませんが、
基本的に一人でベットサイドにいって、訓練、指導などを行っています。
コンサルティが考えるコンサルテーションが、専門家が一人で完結してくれるものということがあります。
これは、言い換えればスペシャリストナースの実践を依頼していることになります。
つまり、スペシャリストナースががベットサイドケアを引くけてくれると思っていたりするんですね。
病棟看護師などは、コンサルテーションにどのようなプロセスであるか、
知らないことがあります。
コンサルテーションのプロセスの説明、また、ケアの責任が、
コンサルティであることを理解してもらうことが大切ですね。
コンサルタント(依頼される側)の目標が実践だった
こちらも、目標が実践だったと言われると、
「いやいや、コンサルテーションだから、実践と目標はもちろん違いますよ・・。」
そう思われるかもしれません。
では、どのようなことがコンサルテーションの目標でしょうか。
「もちろん、患者さんに対しての目標ですよ。」って、
本当にそうでしょうか・・・。
確かに、看護の専門家としてアセスメントも、ケア選定も大切です。
しかし、コンサルテーションの目標は、
コンサルティが問題解決できることなんです。
つまり、コンサルティが問題と思っていることを解決することが目的です。
その悩みを解決できているかどうかを考えていくことが大切です。
そして、コンサルタントも一人でケアをしてもコンサルテーションになはならないことを知る必要があります。これらを知ると、自分自身の行動も変わってきますね。
スタッフから専門家へのコンサルテーションであることを理解して取り組むことをおすすめします。
まとめ
スペシャリストナースが患者さんのベットサイドで、一人でケアしないといけない状態になるには、
2つの原因が考えられます。
コンサルティ(相談する側)は実践を依頼していた、または、コンサルタント(依頼される側)の
目標が実践だったということです。
しっくりこない・・・と思ったら、これらの原因を考えて対処していくといいですよ。