看護師が行うスピリチュアルケアー聖書から考えるー

キリスト教と看護

こんにちは、コンサルタントナースの西です。

スピリチュアルケアってよくきくんだけど、
実際は何のことか、何をアセスメントしたらいいかわからないよ・・。

スピリチュアルケアという言葉を聞く機会がありますよ。
でも、具体的に何をアセスメントして、
どう看護師として支援したらいいのわからない・・・ってことが
ありませんか?

 

確かに、看護師としてスピリチュアルケアのために、
どのようにアセスメントをしたらよいのかということは、

あまり知られていないのが現実です。

しかし、聖書的視点から考えると、
それほど難しいことでもありません。

そこで、今回は、キリスト教の土台となっている聖書から、
看護のケアに活かせる、スピリチュアルの考え方について
クリスチャンナースとしての経験からお話しします。

聖書でのスピリチュアルの考え方

英語のスピリチュアルとは、日本語では霊的と訳されます。
人間は、霊と魂と体を持っていると聖書には記されています。

この霊(スピリチュアル)とは一体どのようなものでしょうか。

聖書では、3種類の霊について言及されています。
それは、人間の霊、神からの霊、悪魔からの霊の3つです。

人間の霊
特徴:人間のなかにあるその人自身の霊であり、神からの霊、または、悪魔からの霊のどちらかに影響を受けやすい。

神からの霊
特徴:聖霊、神の霊であり、知恵を与え、カウンセラーであり助言者、神を正しく恐れることを教え、知識をくれる霊。愛を教えれくれ、人に良い影響を与える霊。

悪魔からの霊
特徴:盗み、滅ぼし、殺すことを目的としている霊。プライド、赦さない心、ゴシップ、悪霊とのコミュニケーション、先祖の罪などで人の霊に良くない影響を与える。

人間の霊は、その人自身が生まれながら持っている霊です。
しかし、それはとても影響を受けやすい霊でもあります。

悪魔からの霊の影響を受けると、魂は、焦り、憤り、落ち込み、激しい衝動など
を感じやすくなります。そのため、平安がなくなり、落ち着かない、
何かに焦らされているような、心理的状態になりやすくなります。
この心理的影響は、時に、身体にも影響を与えていきます。

しかし、神からの霊の影響を受けると、清さ、平安、優しさ、愛
を感じます。そのため、心理的に平安を感じ、安定し、身体的にもよい影響を
与えていきます。
また、それだけでなく、聖書では、神の霊から、
不思議な神からの癒しの力が受けられることについても言及されています。

また、聖書には健康的に体を管理する生活習慣も大切であることにも
言及されており、生活習慣が良くないと身体的影響を呈しやすくなるのはもちろんのことです。

しかし、霊的(スピリチュアル)な問題が、魂つまり心理的なものに影響し、身体的な問題を
引き起こす聖書的な原則があることを、看護師として、
知っておくと、一つのケアのための引き出しを増やすことができます。。

スピリチュアルなアセスメントとは

では、霊的(スピリチュアル)な状態をどのようにアセスメントすればよいでしょうか。

それは、その人の「神との関係」をアセスメントするとよいでしょう。
なぜなら、人は本当の神を求め、神との良い関係を求める
本能を持っていることが多いからです。

僕は悪いことばかりしてきたと思うんだ。神様からの罰だと思うよ。
神様が怒ってるんだ。だからこんなに体が悪くなってしまったよ。
神様から赦してもらうには、病気に耐えていくしかないんだ。

何か悪いことが起こった際に、その理由がわからない場合、
神との関係性が悪くなったと感じることがあります。
しかし、神の存在は見ることができないため、
見えない存在への怒りの感情が芽生えることがあります。

何か悪いことをしたらしい➡神が怒った➡病気にされた➡病気は仕方ないんだ⇒神への怒りの感情
このような見えない存在への深い怒りは、
どこにもぶつけることができず、
心理的にフラストレーションを増大させていきます。
そのため、身体的回復を遅らせる要因となる
可能性があります。

このような場合、霊的(スピリチュアル)な問題を抱えていると考えられ、
霊的看護ケア(スピリチュアルケア)が必要になってきます。
また、逆に怒りっぽい方、落ち込みが激しい方など、
心理的問題を呈している方は、
実は、霊的ケアを必要としていることもあります。
心理的アセスメントと同時に霊的(スピリチュアル)なアセスメントにより、
問題解決へのヒントが得られます。

スピリチュアルな看護ケアとは

では、このような霊的(スピリチュアル)な問題を持っておられ方に
どのようにケアを行なえばよいのでしょうか。

それには、神との関係修復が鍵となります。

聖書では、神の性質を、良いものを与えるお方、あわれみ深い、愛なる、
気前の良いお方として記されていいます。
つまり、罰として病気を与えるような方ではないことがわかります。

しかし、同時に聖書では、今の世の中は、
容易に悪魔からの霊の影響を受けやすいことも
記されています。もちろん、全ての病気が悪魔からだとは
言えませんが、なんらかの影響を受けていることもあるかもしれません。

どちらにせよ聖書から確実なことは、
神が病気を与えたわけではないということ、
神は、回復すること、癒されることを望まれているということです。

そのため、神が良いお方であり、怒っているわけではないことを知り、
神との関係修復を行うことがとても大切になってきます。

どのように神との関係修復を行っていったらよいのでしょうか。
聖書には、イエス・キリストのもとにいくことが関係修復のファーストステップだと記されています。

「だれでも渇いているなら、わたしのもとに来て飲みなさい。
わたしを信じる者は、聖書が言っているとおり、その人の心の奥底から、
生ける水の川が流れ出るようになります。」

(ヨハネの福音書7章37~38節,新改訳聖書,2017より引用)

さまざまな表現をされる方がおられますが、
私は、人間の霊は、腹部あたりに感じる、「本当の神様を求める」渇きのようなもの
だと考えます。

また、この生ける川は、神の霊のことです。
この神の霊は聖書では聖霊と言われています。
聖霊は、いつも一人ひとりを助けようとします。
時にかなって、知恵や知識、解放や回復、癒しをもたらされることが
聖書には記されています。
そして、神はどれほど深く私たちを愛しているかを、
体験したかのように知るように導かれます。

ですので、ぜひ、神が怒って病気を持ってこられたわけではないこと、
神との関係修復は可能であることえを伝えてください。

それだけで、看護師が行う霊的ケア(スピリチュアルケア)として効果があります。

まとめ

私は、クリスチャンナースとして、
病気をもつ方から相談を受けることがよくあります。
今回は、それらの方々が回復される過程で経験したことを、
聖書的な考え方からスピリチュアルケアへのヒントをご紹介しました。

病気に対する聖書的な霊的(スピリチュアル)な知識は、看護ケアのヒントとなります。

それは、人間は霊・魂・体の存在だからです。

心理的・身体的・社会的アセスメントと一緒に、
霊的(スピリチュアル)なアセスメントをしてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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