この記事では、質の高い看護を提供したいときに、
「時間がないからケアができない」への対応を私の体験からご紹介いたします。
「食事の際の姿勢は大切だからちゃんとしましょう」と伝えたのに、
食事時間にみにいくと、患者さんの姿勢は傾いたまま。「どうしてやってないの」の質問に、
「時間がなかったのできなかったんです」・・・どうしたらいいの・・・・
こんな場面が時にあると思います。
今まで多くの病棟のスタッフに接し、
実は本音(根本原因)が別のところにあることに気づきました。
この本音に対応することで、ケアの質が随分変わってきました。
「時間がないからできない」の要因は?
「時間がないからできない」には、確かにさまざまな要因があります。
急患の対応、急変、マンパワーの不足など、どうしても対応が難しくなる要因ですね。
しかし、
「忙しいのに、なんで手間なことするの・・・。」
「やってるけど、すぐ傾くから無駄では」
「みんなしてないのに、なぜ私だけしないいけないの」
これらの言葉が、「時間がないから」の次にきかれることがあります。
これらの言葉に注目して対応することが大切です。
忙しいのに、なぜ手間なことをするの・・・
忙しいのに、なぜ手間なことをするのか・・・・。
これは言い換えると、ケアの意義が知識として不足していることが多いんです。
「別に傾いた姿勢でも食べれてるんじゃないの?」という思いが隠れていたりしますよ。
ですので、知識の提供を丁寧にする必要があります。
今までの経験から、しなくても患者さんに影響がなかった、という思いがあったりするんですね。
姿勢が悪いことで、どんな影響があったか、
姿勢を整えるとどんな効果があるか、これを丁寧に
知識として伝えることが大切になります。
やってるけど、すぐに傾くから無駄では・・・
やってるけど、すぐに傾くから無駄では・・・・。
これは言い換えると、「手間をかけても結果が出ないのに、なぜしないといけないの?」という
思いが隠れていることがありますね。
この場合は、ケア技術の提供を丁寧に行う必要があります。
1回やってみたというのは、とても評価ができることなんです。
でも、すぐに姿勢が崩れているということから、姿勢を保つための
ケア技術が不足している可能性が高いですね。
ベットアップのタイミング、角度、クッションの位置など、
技術面のサポートを強化をし、
崩れない姿勢という結果を出してあげることが大切になります。
みんなしていないのに、なぜ私だけしないといけないの・・・
みんなしていないのに、なぜ私だけしないといけないのか・・・。
これは組織文化に何か問題が潜んでいる可能性があったりします。
ですので、トップダウンの強いリーダーシップが必要になります。
また、ゼネラリストである看護管理者とスペシャリストである認定看護師、専門看護師、
診療看護師などとの連携がより大切になりますね。
より質の高い看護を、体験しながら職場風土の変革が必要です。
まとめ
時間がないからケアができなかったの対処方法は、その後の言葉に対処することが大切です。
・手間だと思っている場合はは、知識の提供を強化
・行っているのに結果が出ていない場合は、技術の強化
・自分だけでするわけにはいかないと思っている場合は、強いリーダーシップ
スタッフの本音から考えていくと、
「時間がないからケアできない」に対処できるヒントがありますね。
ゼネラリストとスペシャリストの連携事例はこちらをご覧くださいね。