コンサルテーションが上手くいかない原因って何?

看護コンサルテーション

こんにちは、コンサルタントナースの西です。

摂食・嚥下障害看護認定看護師資格取得後の私の体験から、
今回は、認定看護師、専門看護師、診療看護師であるスペシャリストナースが行う
コンサルテーションが上手くいかない2つの原因についてご紹介します。


スペシャリストナースのコンサルテーションをみていて、
上手くやっているなと思ったり、もっとできたらいいなと思ったりすることはないでしょうか。

コンサルテーションが上手くいかないときに、その原因を考えることで、
より効果的なコンサルテーションに近づいていきます。

コンサルテーションが上手くいかない3つの原因

コンサルテーションが上手くいってるとは、どのような状況のことを思いうかべるでしょか。
スキルを持った、認定看護師、専門看護師、診療看護師に、病棟看護師などのケアが、
いつでも臨床現場で実践できている状態になることかもしれません。

しかし、病棟看護師から相談が来ない、スペシャリストナースが積極的に相談を受けれないなど、
なんだか今一つ・・・と感じることがあると思います。
この、コンサルテーションにおいて十分にスペシャリストナースが力が発揮できない状況には
理由があることが多いですね。

その理由は、実践・チーム実践の不足、方向性の誤解の3つです。

コンサルテーションが上手くいかない原因
・実践の不足
・チーム実践の不足
・方向性の誤解
これらの原因について、一つひとつ考えてみましょう。

コンサルテーションが上手くいかない原因①実践の不足

実践の不足は、単に実践時間の不足だけでなく、看護実践を行って、患者さんによい変化をもたらす
ことができた経験の不足でもあるとも言えます。

3種類のタイプの例があります。一つ目は、資格取得してから日が浅い場合。
当然実際的に患者さんへ専門分野のスキルを提供した経験が少ないタイプです。

私が認定看護師資格を取得してすぐの時期は、このタイプでした。

病棟スタッフから質問を受けることがあるのですが、「たぶんこうだと思う・・・」と
いう感じでしたので、コンサルテーションを積極的に受ける気になれない。

そこで、私がとった行動は、摂食嚥下のアセスメントを実践力のある方から
しっかり学ぶことでした。
その当時、先輩の認定看護師は、私の近くにいませんでしたが、
摂食嚥下の分野の先輩である、言語聴覚士から学ぶことはできました。

病棟にきた言語聴覚士に、なるべく同席するし、一緒にアセスメントする、
そして、私のアセスメントを伝えて意見をもらうことを繰り返しました。
何回も、何回も行いました。
言語聴覚士のアセスメントや訓練手技について貪欲に学びながら行いました。

この実践力の基礎をつける時間が、私のコンサルテーションの基礎となりました。
資格を取得して1年目は、まさに基礎体力をつけていた時期だったと思います。

この例は、専門分野を提供できる患者さんと接する機会がまだ少なく、
実際に患者さんへ提供するスキルに自信のないことが原因でコンサルテーションを受けれていないタイプです。

また、実践時間は十分であっても、専門分野の看護で患者さんの変化が導けてないときも理由は似ています。

実践の不足の2つのタイプ
実践経験の不足したタイプ
・実践経験は十分あるが、看護で患者さんの変化が導けないタイプ

どちらのタイプも、実践のフィードバップをしてくれる、
先輩などがそばにいると、より早く自信につながると考えます。

コンサルテーションが上手くいかない原因②チーム実践の不足

次に、チーム実践ですが、これは、看護ケアについて多職種を調整した経験の不足とも言えます。

どの職種がどのように力を出し合うと、より効果的な結果になるか、
その道筋を組み立てる力が、コンサルテーションには必要になります。

私も認定資格取得後の2年目に、チーム実践という課題に直面しました。

摂食嚥下チームをつくりたい!チームでコンサルテーションを受けたい!と、
意欲はあったんですが、
摂食嚥下という分野で多職種チームをどうやって編成し、
そのチームにどのように関わることができるのかがわかりませんでした。

そんな時に力になってくれたのが、所属部署の看護師長さんでした。
看護管理者とともに働くことの大切さのアドバイスとともに、
リハビリ病棟の看護師長さんに紹介してくれました。

その後、リハビリ病棟の看護師長さんと、言語聴覚士の課長さん、と私がコアとなり、
チーム編成とチーム調整を行うことができました。
ゼネラリストとスペシャリストの役割の違いと、協働したときに、
ものすごい効果がでることを実体験です。

この経験が、チームでコンサルテーションを受けていく、基礎となりました。

専門分野でのチーム医療の経験が少ないと、多職種の力を組み立てることが難しくなります。
一人完結で、職人技として一人で実践しているだけになっていることがその背景にあったりします。

また、この状態は上記に記した、実践の不足にも関係しています。
専門分野によっても違いがあるかもしれませんけれど・・・。
専門分野でチーム医療の経験を積むことで、よりよいコンサルテーションへ近づきます。

コンサルテーションが上手くいかない原因③方向性の誤解

最後に、コンサルテーションの方向性の誤解です。

私は、病棟から口腔ケアのコンサルテーションがあったときに、このことを学びました。
患者さん一番よいと思うケアを提案していたつもりでしたが、
病棟スタッフが実際に困っていることを解決するという視点がなかったのです。
スタッフがケアを継続する助けとなっていませんでした。

患者さんのことを考えすぎて、その病棟などでは実践が難しいことを提案したり、
相談者自身が問題と考えていたことが解決できていなかったりする状態でした。

これは、コンサルテーションの成功を患者さんの成果としてだけを考えすぎてしまうこととも言えます。
コンサルテーションでは相談者(コンサルティ)にとって問題解決になったかどうかが、

評価となってきます。このことを念頭におく必要があることを実体験しました。

このような介入を続けていると、相談者との間で、ぎくしゃくしてしまうことがあり、

コンサルテーションが増えてこない原因となってきます。
相談者にとって解決になっているかどうかを考える視点を持つことが大切ですね。

まとめ

今回の記事では、コンサルテーションが上手くいかない3つの原因について書きました。
原因は、実践の不足、チーム実践の不足、コンサルテーションの方向性の誤解の3つが大きくはあると考えます。

原因をアセスメントして、よりよいコンサルテーションで、
スペシャリストナースの看護が必要な患者さんの届くように一緒にしていきたいですね。

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